こどもの日本語ライブラリ
指導計画詳細
小学生低学年
30時間
文字語彙編
毎回取り入れる内容 はじめ 「おはようございます(こんにちは)」と一人ひとりに笑顔で挨拶をし、PCで意味を確認した後、ジェスチャーでSにも挨拶を促す。視診をしながら「元気ですか」と声をかけ、「元気です」と言うよう、ジェスチャーで誘導する。出席をとって「はい」と返事をさせることを入れてもいい。
「おはようございます」「こんにちは」「ありがとうございます」の挨拶のPCを見せながら発音して聞かせ、Sにもリピートさせる。
おわり 終わる前に、カレンダーの今日の日付に印をつけるか、出席カードにスタンプ・シール・サインをつける(曜日ごとに色を統一。月曜は黄色、火曜は赤など)。
トピック等 教室のことば
目標 自分の名前が言える / 学校で使う指示の言葉がわかる / 50音表の音の体系を知る
学習内容 教師の指示の言葉  運筆(いろいろな線を引く)  ひらがな50音表
参考教案 活動内容 講師 学習者
<活動1> 【挨拶と自己紹介】
S1の近くに行き、S1の目の高さにかがんで「S1さん?」とSの名前を言い、反応を待って、「おはようございます」とあいさつをする。

胸に手を当てて「わたし」、名札を見せて「田中」、「私は田中です。どうぞよろしく」と言う。他のSにも同様に自己紹介をする。

子どものペープサート★を動かしながら、「田中先生、おはようございます」と言う。Tからも「あ、ナオミさん、おはよう」と挨拶をし、「先生」と呼ぶこと、双方向の挨拶のし方に気づかせる。
Tに促されて、「はい。S1です」と返事をする。
「おはようございます」と挨拶をする。

Tの名前を知る。


目の前にいる人が「たなかせんせい」であることを知る。
Tとの挨拶の仕方が分かる。
<活動2> 【トピック:指示のことば】
「立ってください。」と言い、少し待って、ジェスチャーで立つことを指示する。子どもが立ったら、「座ってください。」と言い、ジェスチャーで座ることを指示する。何度も指示を出し、言葉だけでできるようになったら、ジェスチャーを外す。

「来てください」を追加し、定着できたら、「書いてください」「見てください」を追加する。最後に、「手を挙げてください」を入れる。
Tが言った言葉を聞いて、理解し、動作で反応する。                                                                                                                                                                                                                      
<活動3> 【書く練習】
「見てください。線を引きます」と言い、縦線を3本書く。1つずつ触りながら、「線、線、線。たて線、たて線、たて線」と言い、Sにもリピートさせる。もう一度「見てください。線を引きます」と言い、横線を3本書く。1つずつ触りながら、「線、線、線。よこ線、よこ線、よこ線」と言い、Sにもリピートさせる。

早く言ったり、遅く言ったり繰り返し、「たて」ばかりが線でないことを理解させる。

「~さん、線を引いてください」と言い、黒板の前に呼んで書かせる。「ありがとう。座ってください」と言い、ジェスチャーで座らせる。2、3人にさせる。

ワークシートに取り組ませる。「できましたか」と声をかけ、ジェスチャーで提出を促し、受け取りながら「上手にできましたね」と声をかける。
Tが線を引くのを見て、「線を引きます」という言葉はどういう動作を意味するのかを理解する。








呼ばれたら前に出て、線を引く。


いろいろな線をなぞり、運筆練習をする。                ワークシートを提出する
<活動4> 【読む練習】
50音表を示し、指差しながら、「あ。言ってください。あ」と言う。「お」まで繰り返す。
「あいうえお。言ってください」と言い、リピートさせる。同様に「か行」も行う。

「今から、歌を歌います。立ってください」桃太郎のメロディーで「♪あ~いうえお、かきくけこ」と歌い、Sにも一緒に歌わせる。

楽しんで歌うようにすること。オルガンやピアノなどで伴奏があるといい。なければ、CDをかけてもいい。
「あ」から「お」を発音する。

「あいうえお」「かきくけこ」と発音する。


起立し、その場で、歌う。桃太郎のメロディでTと一緒に歌う。


<活動5>  
語彙 名詞 わたし まえ せん たて よこ
動詞 立ってください 座ってください 見てください 書いてください 来てください 挙げてください 引いてください 消してください 
なぞってください 書いてください 歌います
形容詞  
その他 こんにちは おはようございます  
文例 活動1 「S1さん?」 「おはようございます」 「わたし」「たなか」「私は田中です。どうぞよろしくおねがいします」
活動2 「立ってください」 「座ってください」 「来てください」
活動3 「座ってください」 「手を挙げてください」 「見てください」 「線を引きます」 「線を引きました」 「~さん、線を引いてください」 「ありがとう、座ってください」 「線をなぞります」
活動4 「あ。言ってください。あ」 「あいうえお。言ってください」 「今から歌を歌います。立ってください」
活動5  
教材 テキスト  
絵カード・教具 ひらがな50音表  運筆練習プリント
備考 ◆日本語の学習経験が全くない子どもを想定して作成した。
◆50音表は文字だけのシンプルなものを用意・行ごとに色が違うといい(日本の子ども向けの絵入りのものは使わない)。
幼児教育の経験のない子ども、クレパスや鉛筆を持ったことのない子どももいる。鉛筆がしっかり持てるか、筆圧があるかを確認する。
★JYL動画文字・ひらがな「あいうえおの歌」を参照。
『あいうえおの歌』
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