こどもの日本語ライブラリ
指導計画詳細
中学生
30時間
会話編
毎回取り入れる内容 朝の会、帰りの会などを利用し、あいさつ、暦日、天気、数字は毎回の授業で少しずつでも継続して取り入れていきましょう。
例:「おはようございます。今日はX月X日X曜日です。今日は晴れです。」
今日の数字(カードや板書を利用して、全員で音読するなど)
トピック等 教室の言葉、いいこと・だめなこと、トイレ
目標 教室内での指示・禁止の言葉を知り、行動することができる、許可や希望のことば
参考教案 活動内容 講師 学習者
<導入> 「起立」「礼」「着席」「始めます」

「教科書を出してください」と言い、身振りでSに教科書を出すよう促す。「教科書」と言い、教科書を示す。もう一度言い、Sにも言わせる。「教科書を出してください」と言いながら板書し、SにTの発話の意味を理解させる

「鉛筆と消しゴム」と言い、教師の持っているものに注目させる。「鉛筆」を持って「鉛筆」と言い、Sにもリピートさせる。「消しゴム」も同様に練習。鉛筆と消しゴムを持って、「鉛筆と消しゴム」と言い、Sにもリピートさせる。鉛筆と消しゴムのイラストを貼り、「えんぴつ」「けしゴム」と板書して意味を知らせ、「鉛筆と消しゴムを出してください」と言う
「起立」「礼」「着席」の動作をする

教師の言葉を聞いたり、動作を見たりする
「教科書」とリピート
教科書を出す。意味を理解する


教師の持っているものを見る
「鉛筆」とリピート
「消しゴム」とリピート
「鉛筆と消しゴム」とリピート

鉛筆と消しゴムを出す
<活動> ワークシートを渡し、「名前を書いてください」と言う。「私の名前は山本です。名前を言ってください」と手の平を上にしてS1の方へ差し出し、名前を言うように促す。S1が名前を言ったら、「書いてください」とジェスチャーを交えて指示する。指示した言葉「書いてください」を板書する

これまでの板書を見るよう指示し、「てください」のところに下線を引き、注目させる。

「出す」「書く」「言う」「立つ」「座る」「読む」「開く」の動詞の絵カードを貼り、それぞれ「~てください」の形で発音して聞かせた後、Sにもリピートさせる

教師の指示を聞いて行動に移すことができるように練習させる。「まだです」「もう一度」「きれいに」「大きい声で」なども、織り込みながら指示をする

途中、トイレや水の要求があったときに「トイレに行きたいです」「水を飲みたいです」「トイレに行ってもいいですか?」などの言い方を導入する。
毎回の授業で機会をとらえて、みんなで言うようにする。
だめな時は、「だめです。ガムを噛んではいけません。」などその時々で注意する。
板書して、書きとらせる。

学校ですること、していいこと、してはいけないことについてのワークシートを配布する。


「名前?」
「名前」の意味を知る
自分の名前をワークシートに書く(それぞれの国の文字でもよしとする」


「~てください」の文型に気づく


Tの話を聞き、規則性に気づく
絵カードを見ながら、Tの後についてリピートする


Tの指示にしたがって動作をする



一度に覚えなくてもよい。







時間があればワークシートをする。なければ宿題。
語彙 名詞 教科書 ~ページ えんぴつ 消しゴム 名前 トイレ 水 休み時間 うち 給食 
動詞 出します 見ます 開きます 読みます 書きます 言います 立ちます 座ります 入れます もってきます 走ります 見せます 出します 飲みます 食べます 行きます 帰ります
形容詞 いい だめ きれいに
その他 もう一度 まだです ゆっくり 大きな声で いけない
文例 表現① ~てください
  立ってください 座ってください 聞いてください 読んでください 書いてください きれいに書いてください
表現② N と N
  鉛筆と消しゴム
表現③ N の N
  私の名前
表現④ Vてはいけません
  廊下を走ってはいけません
表現⑤ Vなさい
表現⑥ ~てもいいですか
表現⑦ ~はだめです
表現⑧ ~たいです
教材 テキスト 『にほんごをまなぼう』 18~21ページ
『こどものにほんご1』 127~132ページ
『日本語学級1』 2~5,8~11、20,21,30~33,52.53ページ
絵カード・教具 ★絵カード『動詞』 転校生と教師のペープサート ワークシート(きまりを知らない生徒のイラストと「~なさい」の文を線でつなぐなど)
動詞カード トイレや家などの場所を表す写真や絵 授業中にトイレに行きたがっている生徒の絵(『日本語学級1』p.5)
教育用画像集(無料ダウンロード) http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
備考 「やりなさい」もよく聞くことばであるから,母国語での言い方を調べておくと役に立つ。
「~てください」は分析的に教えるのではなく、まるごと理解させたい。言えなくてもよい。聞いて行動できることを目標とする。「~ても いいですか」の文は、「~てください」と同様、この段階では分析的に教えるのはやめたい。ただ、「~てもいいですか」は自分の欲求を相手に伝える機能を持つことから、言いたいときに言えるよう、まるごと覚えさせ、練習する。難しければ、「~たいです」の言い方で代用させ、無理に教えないようにする。
千葉県教育委員会のホームページから「外国人のための学校ガイド」を閲覧することができる
http://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/gaikokujin/parents.html
「~てはいけません」「~なさい」は教師の表現として、理解できれば、よしとする                          いいこと・だめなこと(特に教室内における行動)を扱うことは、これからの教室運営・生徒との関係作りに重要となってくる。必要とあれば一回目に扱う。特に、「よい行い」はチャンツのようにしてみんなで復唱するようにするとポジティブな教室作りに役立つ。
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