こどもの日本語ライブラリ
指導計画詳細
中学生
30時間
文字語彙編(漢字圏)
毎回取り入れる内容 はじめ 始業の挨拶
健康観察「げんきですか」/「げんきです」「げんきではありません」「あたまがいたいです」「おなかがいたいです」
前時の宿題を提出「宿題を提出してください」
数詞・助数詞②(~冊、~個)フラッシュカードを読む。
おわり 宿題の指示
カタカナことばの読み練習(「ことばの練習帳(カタカナ)」★JYL教材)
「漢字の練習帳2年」の③④「文を書きましょう」(★JYL教材)
トピック等 小さい「ツ」の入ったことば
目標 ①小さい「ツ」の入ったカタカナの言葉が読める/書ける  ②漢字仮名交じりの短い文章を読んで理解できる    ③二年生の漢字が読める/書ける  ④助数詞を知る(~匹、~本)
学習内容 カタカナ促音の文字・ことば  短い文の読み  二年生の漢字  助数詞
参考教案 活動内容 講師 学習者
<活動1> 【前時の復習】
「ことばの練習帳(カタカナ)」対応の聴写テスト(★JYL教材)をさせる。
黒板に答え合わせをし、正しい答えをSに読ませる。

Tが言う語彙をよく聞き、聴写テストをする。(聞いて書く)
テストの採点をする。間違えたところを赤ペンで書き直す。
黒板に書かれた答えを、Tの指示で読む。

<活動2> 【漢字仮名交じり文の読み】
Tは、『桜』のCDと一緒にSにも音読させる。(レベル別 日本語多読ライブラリーレベル0)※CDが用意できない時は、Tと一緒に読ませる。
内容に関するいくつか簡単な質問をする。(質問例は、備考欄参照)
Sが単語で答えた場合、文章で答えられるように、ことばを足したり、モデルになる言い方を示したりする。





Sは『桜』を読む。

Tの質問に答える。
答えられない時は、本を確認し直す。
できるだけ、単語ではなく文章で答える。

<活動3> 【カタカナのことばの読み書き練習】
「ことばの練習帳(カタカナ)」促音のことばを板書し、Tが読み方の見本を示す。ひらがなの促音の読み方と同じであることを意識付して、カタカナのことばを読ませる。
縦書き、横書きの場合の、小さい「ツ」の書き位置について、板書をして説明をする。


Sは「ことばの練習帳(カタカナ)」促音を読む。

ひらがなでの小さい「つ」の書き方を思い出しながら、横書き、縦書きでいくつかのことばをカタカナで書く。
<活動4> 【漢字】】「漢字の練習帳2年」③④(基礎)(★JYL教材)
漢字カードで、前時に学習した漢字の読みの復習をする。 

「漢字の練習」の、本時で学習する漢字を読ませる。
(親、牛、馬、魚、鳥、羽、鳴く、父、母、兄、姉、弟、妹、友、自、才、話す)
★家族の言い方については、★JYL中学生指導計画会話編NO.13「家族のこと」を参照すると良い。

簡体字と字形の違う漢字については、板書をし、違う箇所をSに指摘させる。
※「親、馬、魚、鳥、鳴く、姉、話す」が簡体字と字形が違う。
「漢字の練習帳」に1回練習させ、書き順や字形についてチェックをする。
間違いがあるときは、丁寧に説明をする。

「漢字の練習帳」(★JYL教材)の漢字を含む文の読み練習をさせる。

≪もっと学習≫
学習した漢字を含む短文作りをさせ、発表させる。
訓読みが覚えられたSには、プリントなど用意して音読みも指導する。
漢字カードを読む。

「漢字の練習」の本時の漢字を読む。




簡体字と字形が違う漢字を見つけ、形の違う箇所を発表する。 
字形の違いに注意し、書き練習をする(1回)。
間違っている時は、Tの指示に従って直す。


学習した漢字を含む文を読む。


学習した漢字を含む短文を作り、発表する。友だちの作った文を聞いて、間違いを直し合ったりする。
<活動5> 【数字】(数詞・助数詞③)漢語起源の数詞
『日本語を学ぼう2』P15を示し、犬や魚が「ひき」、鉛筆や傘が「ほん」の言い方であることを説明し、板書する。中国での、助数詞を確認する。
  
『日本語を学ぼう2』P15の「ひき」「ほん」の箇所を、範読し、Sと一緒に読む。
 
『日本語を学ぼう2』P14の絵を見て、メダカや亀、カエルの数を聞く。
中国での助数詞について、Tに答える。


『日本語を学ぼう2』P15の「ひき」「ほん」の箇所を、Tと一緒に読む。
 
『日本語を学ぼう2』P14の絵を見て、メダカや亀、カエルの数を聞く。
語彙 名詞 <活動3>「ことばの練習帳」の当該ページのことば:(促音①)ベッド、ヨット、サッカー、スリッパ、トラック、ロケット、ロボット、ビスケット、ヘルメット、パイナッブル  (拗促音)キャップ、チャック、チョッキ、リュック、ショッピングセンター  <活動4>親、牛、馬、魚、鳥、羽、父、母、兄、姉、弟、妹、友、自てん車、?才
動詞 <活動4>鳴く、話す
形容詞  
その他  
文例 活動1 「聞いてください」「カタカナで書いてください」「赤ペンを出してください」「○を付けてください」「点を書いてください」「何点ですか」
活動2 「きょうは、この本を読みます」「初めに、CDを聞きます。指で追って聞いてください」「CDと一緒に読んでください」「上手に読めましたね」
「桜の花を見たことがありますか」「沖縄で桜が咲くのは何月ですか」「学校が始まるのは何月ですか」「北海道で桜が咲くのは何月ですか」
活動3 「小さいツの読み方は、ひらがなのときと同じです」「小さいツはどこに書きますか」「ここに書いてください」「よく見てください」
活動4 「見てください」「読んでください」「1,2,3・・・」「書いてください」「皆さんの国の漢字と同じですか、違いますか」「同じ」「違う」「文を作りましょう」
活動5 「数えてください」「音が変わりますから、気を付けましょう」「鉛筆は何本ありますか」「犬は何匹いますか」
教材 テキスト 「日本語のおけいこ」(谷川俊太郎『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』)
『桜』★『レベル別日本語多読ライブラリー レベル0 Vol 1』クラス:入門  語彙数:350 文字数:~400
『日本語を学ぼう2』4課。同様の内容は、★『ひろこさんのたのしいにほんご1』(20課・21課) ★『こどものにほんご1』(10課)
『かんじだいすき(2)~日本語をまなぶ世界の子どものために~』 ★『かんじだいすき(2)漢字・絵カード』 (公益社団法人国際日本語普及協会 AJALT)
絵カード・教具 聴写テストシート  50音表(ひらがな/カタカナ)  カタカナカード  ★『ことばの練習帳(カタカナ)』   漢字カード  ★『漢字の練習帳(2)中国語訳付き』  ~匹、~本と数えられる絵 
備考 ◆<活動2>ここでは、レベル別多読ライブラリーの『桜』を指導に使っているが、同程度のレベルの別の読み物に変えても良い。まとまった文章の読みに慣れてきているので、読んだ文章についていくつかの質問をして内容確認をする。その際に「はい/いいえ」で答えられる質問[閉じた質問)ではなく、文で答えなければならないような質問(開いた質問)をするように心掛けたい。

◆<活動5>中国語には助数詞があるので、生徒は助数詞の概念が理解できているが、日本語とは異なる漢字を書くので注意が必要である。日本語での「匹」は、中国語の場合「へびのような長いものは条、鳥やこん虫は只、大型の動物は?,、馬は匹」を使う。日本語の「個」は中国語では「个」を使う。小学校高学年や中学生であれば、中国語との対比で指導をした方が分かりやすい。ここで学習するのは、 「数の言い方が音便変化すると共に、助数詞の言い方も変わる数の言い方」であり、外国人生徒にとっては難しい内容である。正しく言えるようになるには、時間がかかるので継続した練習が求められる。
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