こどもの日本語ライブラリ
指導計画詳細
中学生
30時間
文字語彙編(漢字圏)
毎回取り入れる内容 はじめ 始業の挨拶
健康観察「げんきですか」/「げんきです」「げんきではありません」「あたまがいたいです」「おなかがいたいです」
前時の宿題を提出「宿題を提出してください」
数字の読みの復習
おわり 宿題の指示
作文
「漢字の練習帳2年」の⑰⑱「文を書きましょう」(★JYL教材)
短い文章の読みの練習を宿題にする。例えば次回の読み物『ジョンさんの夏休み』(レベル別 日本語多読ライブラリー レベル1/クラス:初期前半)
トピック等 自分のこと「日本語」
目標 ①漢字仮名交じりのストーリー性のある文章の読み    ②主述の整ったモデル文を基に短文を書くことができる   ③2年生の漢字が読める/書ける 
学習内容 漢字仮名交じりのストーリー性のある文章の読み     ひらがなに漢字を交えた短い文章の書き   漢字
参考教案 活動内容 講師 学習者
<活動1> 【漢字の復習】
漢字フラッシュカードを使って、これまで学習した漢字の読みの確認をする。可能であれば、漢字の音読みも練習する。
漢字フラッシュカードで漢字の読みの復習をする。
<活動2>> 【漢字仮名交じり文の読み】
Tは、『どうしてねこ年がない?』を黙読させる。(レベル別 日本語多読ライブラリー レベル1)
「どんなお話でしたか、話してください」とストーリーを話させる。
中国には日本同様、干支の考えがあるので、Sの干支について尋ねたりして、中国の干支について話をすると良い。
(中国では、「いのしし」ではなく「豚」である)




Sは『どうしてねこ年がない?』を黙読する。

自分でストーリーを説明する。
できるだけ、単語ではなく文章で答える。


<活動3> 前時の宿題で書いてきた作文を読ませる。
発表後集め、表記の間違いについては必ず、添削をする。
宿題の作文を発表する。
宿題を提出する。
<活動4> 【作文指導「自分のことノート」:3課の材料集め】(★JYL教材)
本時のテーマは、3課「日本語」である。初めに作文の材料集めをするために、Sに日本語学習で頑張っていることなどを自由に発表させる。また、「自分のことノート」のアンケートに答えさせる。
Sが自分自身のことを安心して沢山答えられるような雰囲気作りに配慮する。
※アンケートの項目の意味が分からない時は辞書をひいてもよい、と声をかける。

Sが日本語学習で頑張っていることや、工夫していることを自由に発表する。
クラスの他のSが日本語学習で努力していることや工夫していることを聞く。
「自分のことノート」のアンケートに答える。








<活動5> 【作文指導「自分のことノート」:3課モデル文の読み・パターン作文】
「自分のことノート」(3課「日本語」)の「読む書く」のモデル文をSに読ませる。内容に関するいくつかの質問をする。

「あなたのことを書きます」と指示し、穴埋め作文をさせる。
作文の続きを書いてくることを宿題にする。
 
モデル文のを読み、内容を理解する。
Tの質問に答える。

モデル文を参考に作文を書く。
<活動6> 【漢字】】「漢字の練習帳2年」⑰⑱(基礎)(★JYL教材)
「漢字の練習」の、本時で学習する漢字を読ませる。
(電車、汽車、船、行く、来る、帰る、交通、社会、書く、読む、思う、丸、点、京、記、市)

簡体字と字形の違う漢字については、板書をし、違う箇所をSに指摘させる。
※「電車、(汽)車、船、帰る、書く、読む、記」が簡体字と字形が違う。
「漢字の練習帳」に1回練習させ、書き順や字形についてチェックをする。間違いがあるときは、丁寧に説明をする。

「漢字の練習帳」(★JYL教材)の漢字を含む文の読み練習をさせる。

≪もっと学習≫
学習した漢字を含む短文作りをさせ、発表させる。
訓読みが覚えられたSには、プリントなど用意して音読みも指導する。
本時の漢字を読む。



簡体字との字形の違いに気付き、発表する。

漢字練習帳に漢字の書きをする。字形の違いに注意する。

学習した漢字を含む文の読みをする。


学習した漢字を含む短文を作る。
作った短文を発表する。
語彙 名詞 <活動4>勉強  宿題  国際交流協会  <活動6>電車、汽車、船、交通、社会、点、東京、日記、サンパウロ市
動詞 <活動6>行く、来る、帰る、書く、読む、思う
形容詞 <活動6>丸い
その他  
文例 活動1 「読んでください」
活動2 「きょうは、この本を読みます」「何の話だと思いますか」「声に出さないで、心の中で読みます」「黙読と言います」
「どんな話でしたか」「先生に話してください」「たくさん/上手に/分かりやすく、話せましたね」「他に覚えていることがありますか」
活動3 「作文を書いてきましたか」「読んでください」「読むときは、どんな姿勢で読みますか」「声の大きさはどうですか」「読む速さはどうですか」
活動4 「きょうは、日本語の勉強について話をしましょう」「~さんは、日本語を覚えるために何をしていますか」「すごいですね」「他にも頑張っていることがありますか」「発表をしてください」
活動5 「読んでください」「あなたのことを書きましょう」
活動6 「見てください」「読んでください」「1,2,3・・・」「書いてください」「皆さんの国の漢字と同じですか、違いますか」「同じ」「違う」「文を作りましょう」
教材 テキスト 『どうしてねこ年がない?』★『レベル別日本語多読ライブラリー レベル1 Vol 3』 クラス:初期前半  語彙数:350 文字数:400~1500
『かんじだいすき(2)~日本語をまなぶ世界の子どものために~』 ★『かんじだいすき(2)漢字・絵カード』 (公益社団法人国際日本語普及協会 AJALT)
絵カード・教具 漢字フラッシュカード  ★『自分のことノート』  日中辞書
『漢字の練習帳(2)中国語訳付き』  
備考 ◆<活動2>ここでは、レベル別 日本語多読ライブラリー レベル1(クラス:初期前半  語彙数:350 文字数:400~1500)の中から、中国での既習の知識から理解しやすい『どうしてねこ年がない?』を取り上げた。ここからは、「縦書き表記」の読み物になる。これ以前の活動では、日本語のリズムに慣れ、単語のまとまりとして文を読むことに重点があり、「音読」をさせていたが、流暢に読めるようになれば「黙読」にして、より長い文章の内容を理解させる練習をさせたい。また、内容理解の確認の仕方も、生徒自身にストーリーを話させる形に変える。生徒自身が説明するのが難しいようであれば、登場人物や場面の移り変わり、ポイントになる会話などについて質問し、生徒の話を助け、長く話す練習をさせる。また、公立学校に在籍している生徒には、教科書の読みに移行していくことも考えたい。その場合、教科書の文章のリライト教材を作成し、段階的に日本語のレベルを上げていくことも有効である。リライト教材については、★『外国人児童・生徒を教えるためのリライト教材』(光元總子、岡本淑明編著 ふくろう出版)を参照すると良い。この段階の生徒への教材として、例えば、「にじの見える橋」(中学1年『外国人児童・生徒を教えるためのリライト教材』所収・レベル1/レベル2)などは参考になるだろう。

◆<活動4>日本語学習についての努力していることや工夫していることがテーマである。些細なことでも良いので、生徒に沢山話をさせると良い。生徒の今後の日本語学習のヒントになるので、指導者自身も外国語学習で行った工夫など、自己開示しながら話ができると良い。
ページ上部へ