こどもの日本語ライブラリ
指導計画詳細
中学生
30時間
文字語彙編(漢字圏)
毎回取り入れる内容 はじめ 始業の挨拶
健康観察「げんきですか」/「げんきです」「げんきではありません」「あたまがいたいです」「おなかがいたいです」
前時の宿題を提出「宿題を提出してください」
数字の読みの復習
おわり 宿題の指示
作文
「漢字の練習帳2年」の⑲⑳「文を書きましょう」(★JYL教材)
短い文章の読みの練習を宿題にする。例えば次回の読み物、『最後の葉』。(レベル別日本語多読ライブラリー レベル2)
トピック等 自分のこと「趣味・特技・資格」
目標 ①漢字仮名交じりのストーリー性のある文章の読み     ②主述の整ったモデル文を基に短文を書くことができる   ③2年生の漢字が読める/書ける 
学習内容 漢字仮名交じりのストーリー性のある文章の読み     ひらがなに漢字を交えた短い文章の書き   漢字
参考教案 活動内容 講師 学習者
<活動1> 【漢字の復習】
漢字フラッシュカードを使って、これまで学習した漢字の読みの確認をする。可能であれば、漢字の音読みも練習する。
漢字フラッシュカードで漢字の読みの復習をする。
<活動2> 【漢字仮名交じり文の読み】
Tは、『ジョンさんの夏休み』を黙読させる。(レベル別日本語多読ライブラリー レベル1)
「どんなお話でしたか。説明してください」とストーリーを話させる。
『ジョンさんの夏休み』には、「日本語と中国語で意味が違う漢字」の「大丈夫」が出てくるので、前時の復習も兼ねて、取り上げて確認をする。
「七夕」も話題も出てくるので、中国の七夕の話を聞くのも良い。


Sは『ジョンさんの夏休み』を黙読する。

自分でストーリーを説明する。
できるだけ、単語ではなく文章で答える。


<活動3> 前時の宿題で書いてきた作文を読ませる。
発表後集め、表記の間違いについては必ず、添削をする。
宿題の作文を発表する。
宿題を提出する。
<活動4> 【作文指導「自分のことノート」:6課の材料集め】(★JYL教材)
本時のテーマは、(6課「趣味・特技・資格」である。初めに作文の材料集めをするために、キーワードを辞書で調べさせる。
Sの趣味を尋ねる。母国で興味関心のあったことなども、沢山話させる。

キーワードを辞書で調べる。

自分の趣味について答える。
友だちの趣味について聞き、趣味に関わる新しいことばを知る。





<活動5> 【作文指導「自分のことノート」:6課のモデル文の読み】
「自分のことノート」(6課「趣味・特技・資格」)の「読む書く」のモデル文をSに読ませる。

Sに趣味についての短文を書かせる。
作文の続きを書いてくることを宿題にする。
 
モデル文のを読み、内容を理解する。


モデル文を参考に、趣味・特技・資格などについて書く。
<活動6> 【漢字】】「漢字の練習帳2年」⑲(基礎)(★JYL教材)
「漢字の練習」の、本時で学習する漢字を読ませる。
(刀、矢、弓、内、外、切る、当たる)

本時は簡体字と字形の違う漢字は無い。

「漢字の練習帳」に1回練習させ、書き順や字形についてチェックをする。間違いがあるときは、丁寧に説明をする。

「漢字の練習帳」(★JYL教材)の漢字を含む文の読み練習をさせる。

≪もっと学習≫
学習した漢字を含む短文作りをさせ、発表させる。
訓読みが覚えられたSには、プリントなど用意して音読みも指導する。

本時の漢字を読む。


簡体字との字形の違いに気付き、発表する。

漢字練習帳に漢字の書きをする。字形の違いに注意する。


学習した漢字を含む文の読みをする。


学習した漢字を含む短文を作る。
作った短文を発表する。
語彙 名詞 <活動4>趣味 特技 資格 映画鑑賞 ゲーム 読書 料理  <活動6>刀、矢、弓、内、外
動詞 <活動6>切る、当たる
形容詞  
その他  
文例 活動1 「読んでください」
活動2 「今日は、この本を読みます」「声に出さないで、黙って読んでください」「黙読と言います」「読み終わったら、どんな話だったか、説明してください」「たくさん/上手に/分かりやすく、話せましたね」「他に覚えていることがありますか」「中国でも干支がありますね」「先生は~年です。あなたは、何年ですか。」「大丈夫ということばが出てきます。同じ漢字ですが、日本語と中語語では意味が違います」「日本語の大丈夫は、どんな意味だと思いますか」
活動3 「作文を書いてきましたか」「読んでください」「読むときは、どんな姿勢で読みますか」「声の大きさはどうですか」「読む速さはどうですか」
活動4 「きょうは、趣味/特技/資格について話しましょう」「分からないことばを辞書で調べましょう」「母国では、どんな趣味を持っていましたか」「日本ではどうですか」「~さんの趣味は何ですか」「何か資格をもっていますか」
活動5 「読んでください」「あなたのことを書きましょう」
活動6 「見てください」「読んでください」「1,2,3・・・」「書いてください」「皆さんの国の漢字と同じですか、違いますか」「同じ」「違う」「文を作りましょう」
教材 テキスト 『ジョンさんの夏休み』★『レベル別日本語多読ライブラリー レベル1 Vol 3』 クラス:初期前半  語彙数:350 文字数:400~1500
『かんじだいすき(2)~日本語をまなぶ世界の子どものために~』 ★『かんじだいすき(2)漢字・絵カード』 (公益社団法人国際日本語普及協会 AJALT)
絵カード・教具 漢字フラッシュカード  ★『自分のことノート』  日中辞書
『漢字の練習帳(2)中国語訳付き』  
備考 ◆<活動2>ここでは、レベル別 日本語多読ライブラリー レベル1(クラス:初期前半  語彙数:350 文字数:400~1500)の『ジョンさんの夏休み』を取り上げた。これは、30時間目に取り上げる「日本語と中国語で字形は同じであるが、意味が異なる漢字」である「大丈夫(中国語では、勇者、立派な男の意味)」が使われていたり、既習の知識(中国での知識)である「七夕」の話題があるためである。内容理解の確認は、生徒自身にストーリーを話させる。自分で話すのが難しいようであれば、登場人物や場面の移り変わり、ポイントになる会話などについて質問し、生徒の話を助け、長く話す練習をさせる。また、公立学校に在籍している生徒には、教科書の読みに移行していくことも考えたい。その場合、教科書の文章のリライト教材を作成し、・段階的に日本語のレベルを上げていくことが有効であると言われている。リライト教材については、★『外国人児童・生徒を教えるためのリライト教材』(光元總子、岡本淑明編著 ふくろう出版)を参照すると良い。この段階の生徒への教材として、例えば、「言葉の力」(中学2年『外国人児童・生徒を教えるためのリライト教材』所収・レベル1/レベル2)などが、参考になるだろう。

◆<活動3>日本では日本語がハンディになって、思うような活動ができていないと感じている生徒も多いので、母国での活動についても、必ず尋ね、生徒に自由に答えさせたい。また、それをきっかけにして、生徒がやりたいと考えていることにアドバイス等ができると良い。
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