こどもの日本語ライブラリ
指導計画詳細
小学生高学年
120時間
文字語彙編(漢字圏)
毎回取り入れる内容 はじめ 始業の挨拶「起立」「礼」「着席」/「おはようございます」「こんにちは」/「今日は、○月○日、○曜日です。天気は○です。」
健康観察「げんきですか」/「げんきです」「げんきではありません」
前時の宿題を提出「宿題を提出してください」
Tの歌う「ひらがな50音表」の歌を聞く。(本時の段階では、Sは自分で言えなくともよい。TはSに50音表を渡す。Sは、Tが言うのを50音表を見ながら、指で追っていく。)
1~10までの数字の読み
おわり 授業の振り返り
宿題の指示
※注意・・・高学年の児童には早い時期から、宿題の習慣をつけたい。指導時間内では、十分に書く練習ができないので、宿題はその点を補うものであると良い。
「さ行、た行のひらがなの書き練習(★JYL教材)「文字練習(50音 ひらがな清音)」
「ことばの練習帳(ひらがなNo.1)」(★JYL教材)の読みの練習/ノートにことばを書く
 
トピック等 さ・た行の文字
目標 ①さ・た行の文字・ことばが読める/書ける   ②頻度の高い漢字の意味が理解できる(乗り物・交通)   ③基本的な数字の読みを知る(1~50)
学習内容 ひらがな清音の文字・ことば   漢字(乗り物・交通)  基本的な数字の読み
参考教案 活動内容 講師 学習者
<活動1> 【前時の復習】
「ことばの練習帳(ひらがなNo.1)」対応の聴写テスト(★JYL教材)を配り、テストをする。(まだ初期段階であるので、Tはゆっくり丁寧に発音する)
 
黒板に答えを書き、Sに○を付けさせる(赤ペンで採点をさせる)。
間違えたところは、赤ペンで直して書くように指示する。
黒板に書いた答えをSに読ませる。
  
Tが言う語彙をよく聞き、テストをする。(聞いて書く)


テストの採点をする。
間違えたところを赤ペンで書き直す。
黒板に書かれた答えを、Tの指示で読む。
<活動2> 【文字・ことばの読み】「さしすせそたちつてと」
ひらがな(1文字のフラッシュ)カードを見せ、文字を明瞭に読む。
Sに反復練習をさせる。この時、口形を意識させる。
ひらがなカードをカルタにして、Sに取らせる。(音と字形が結びついているかを確認する)
ひらがなカードをアトランダムにSに読ませる。(1字1字が読めるかを確認する)
1文字毎に読めるようになったら、「ことばの練習帳(ひらがなNo.1)」(★JYL教材)「あ~か行のことば」を読ませる。(ひらがながことばのまとまりで読めるかを確認する)
学んだ1字1字がことばを構成する文字であることを気付かせる。
(このとき、「Tの範読の後Sが読む/Tと一緒に読む/S全員で読む/S一人で読む」など、クラスやSの状況に応じて、活動スタイルを変える。身振りを付けて、活動の指示語を理解させる。
読んだ回数の記録(○に色塗り)を付けるよう指示する。
 
 
ひらがなカードを見ながら、Tの読みを聞く。
ひらがなカードを見ながら、1字1字発音する。
Tの言うひらがなカードを取る。
Tがアトランダムに出すひらがなカードを読む。
「ことばの練習帳(ひらがなNo.1)」のことばを読む。


様々な活動スタイルの指示を聞いて、理解する。

読んだ回数の記録(○に色を塗る)。
<活動3> 【文字の書き】「さしすせそたちつてと」
ひらがなの書き練習。(本時は、ひらがな書き指導の初期の段階であるので、時間をかけて丁寧に指示を与える。)
 
書き順を意識させながら、黒板に大きく書く。
1画ずつチョークの色を変えたり、1,2,3と書き順を書いたりする。  
Sに、ノートに書かせる。 
Sが正しい書き順で書いているかを、確認する。書きの練習は宿題にする。

形の似た字に注意する。
「き、さ」「し、つ」「お、す」「て、と」など、黒板に並べて書いて比較し、違いの箇所を意識させる。
Tの書き方をよく見る。
人差し指を出して、机の上に空書きをする。
ノートに丁寧に書く。
1字につき、2回程度書く。


Tが提示する形の似た字を読み、違いを理解する。
<活動4> 【簡体字と似ている日本の頻出漢字】(乗り物・交通)「使用頻度の高い漢字語彙」の「乗り物・交通」の漢字と簡体字をマッチングさせるワークシート(★JYL教材)をさせる。
この段階では、分かる漢字語彙があることで安心感が得られることが大切で、乗り物名や交通用語はまだ言えなくてもよい。

母語話者の指導者がいる場合は、日本の交通ルールについての説明をする。(踏切や信号などがない地域から来ている生徒もいる)
乗り物名や交通用語の漢字と簡体字をマッチングさせるワークシート(★JYL教材)をして、乗り物名や交通用語の漢字が分かる。
<活動5> 【数字】(基本的な数字の読み② 1~50)
フラッシュカードを使い、1~50までの数字を一緒に読む。(前時の復習を兼ねる) 「し/よん」「しち/なな」「く/きゅう」「じゅうし/じゅうよん」「じゅうしち/じゅうなな」「じゅうく/じゅうきゅう」の言い方に注意する。

1~50の数字の読み方が言えるようになったら、フラッシュカードに答えが50までの数になる計算カードを見せ、Tが式を言い、答えをSに言わせる。
※時間があれば、ビンゴなどをさせるのも楽しい。
Tの数字の言い方を聞く。
数字のフラッシュカードを読む。



Tが示す計算フラッシュカードの問題を計算して、答えを日本語で言う。
数字を使ったゲームをしながら、数の言い方を反復練習する。



語彙 名詞 <活動2> 「ことばの練習帳」の当該ページのことば:(あ行-さ行)あし あせ いし いす うし かさ くし しお そこ すいか  (あ-た行)て いと かた くち くつ つき たいこ つくえ たいいく ちかてつ 
<活動4> 電車・新幹線・飛行機・自転車・横断歩道・信号・徒歩・車道・駐輪場・高速道路
<活動5>1~50の数
動詞  
形容詞  
その他  
文例 活動1 「聞いてください」「書いてください」「赤ペンを出してください」「○を付けてください」「点を書いてください」「何点ですか」
活動2 「見てください」「取ってください」「さしすせそたちつてと」「読んでください」「一人で読んでください」「じょうずですね」「もう一度」
活動3 「見てください」「1,2,3・・・」「書いてください」「同じ」「ちがう」
活動4 「分かりますか」「分かります」「分かりません」
活動5 「読んでください」
教材 テキスト  
絵カード・教具 50音表(黒板用)  聴写テストシート  赤ペン(教室に用意しておく/以後省略)  ひらがなカード  ★『ことばの練習帳(ひらがなNo1)』  ★ワークシート『中国の漢字と日本の漢字 乗り物・交通』 乗り物・交通漢字カード(ひらがな付き)  数字フラッシュカード/計算フラッシュカード  ★『中国語対応・中国の漢字と日本の漢字』
備考 ◆<活動1>毎時間、前時に学習した文字のテストを行う。こうした活動は、宿題を習慣づけるためには不可欠な活動であるので、準備をしておく必要がある。

◆<活動2>ここでは、さ行、た行の文字の読みと、その文字を使ったことばの読みの学習をする。この指導計画では、★JYL教材「ことばの練習帳」を使うが、『ひろこさんのたのしいにほんご』や『日本語学級1』のような文字語彙の学習項目がある年少者用日本語テキストに置き換えて指導をすることも可能である。

◆<活動4>ここでは、日本の漢字と中国の簡体字の中で、「①頻度が高く、②よく似ている字」を取り上げる。漢字を見て理解できることを目的としているので、日本語で読めなくともよい。読みについては、「会話」の指導や後半の「漢字」指導で学ぶ。交通関係のトピック等指導は★JYL高学年指導計画会話編N0.57「乗り物に乗る」/NO.58「私の町」を参照するとよい。

◆<活動6> ここでは、1~50の数字の言い方が活動の目的であるが、この活動をしながら、本国での算数の計算力をチェックして、算数指導につなげることもできる。→(算数のチェック事項 小1レベル)・3□の数についての足し算、引き算 ★『初期指導における「数」指導  小学校・算数基礎計算チェックシート』
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