こどもの日本語ライブラリ
指導計画詳細
小学生高学年
120時間
文字語彙編(漢字圏)
毎回取り入れる内容 はじめ 始業の挨拶「起立」「礼」「着席」/「おはようございます」「こんにちは」/「今日は、○月○日、○曜日です。天気は○です。」
健康観察「げんきですか」/「げんきです」「げんきではありません」
前時の宿題を提出「宿題を提出してください」
時間が書いてあるフラッシュカードを使い、「○時○分」の言い方の復習をする。
おわり 授業の振り返り
宿題の指示
が・ざ・だ行のひらがなの読み書き練習「ことばの練習帳(ひらがなNo.2)」(★JYL教材)
トピック等 てんてんのつく文字(が・ざ・だ行)
目標 ①てんてんのつく文字(が・ざ・だ行)が読める/書ける ②短い文が読める ③基本的な数字の読みを知る(100~1000) 
学習内容 ひらがなの濁音の文字・ことば  短い文の読み  基本的な数字の読み(100~1000) 
参考教案 活動内容 講師 学習者
<活動1> 【前時の復習】
「ことばの練習帳(ひらがなNo.2)」対応の聴写テスト(JYL・教材)をさせる。
黒板に答えを書き、Sに○を付けさせる(赤ペンで採点させる)。
黒板に書いた答えをSに読ませる。

Tが言う語彙をよく聞き、聴写テストをする。(聞いて書く)
テストの採点をする。間違えたところを赤ペンで書き直す。
黒板に書かれた答えを、Tの指示で読む。

<活動2> 【文字・ことばの読み】
『にほんごをまなぼう1』P97「てんてんでへんしんさせよう」を提示し、読む。「点々」が付くと、発音も意味も違ってくることに気付かせる。

か行、が行、さ行、ざ行、た行、だ行を黒板に併記して、Tが丁寧に読む。Sにも一緒に読ませる。ひらがなカードで1字ずつ読ませる。
※「じ・ぢ」、「ず・づ」は、はじめは、行ごとに、次に個別に発音し、「同じ?」「違う?」とSに問いかける。
→同じ音であることに気付かせる。
※「だ/ら、で/れ、ど/ろ」の区別がつきにくいSもいる。
「だれ/られ」と対比させながら、濁音の言葉には親指を上に上げるなど、ゲーム形式で注意を向かせる。

「ことばの練習帳(ひらがなNo.2)」を読ませる。

ミニマルペアを書いたカードを使い、カルタをする。
「あし-あじ、いと-いど、かき-かぎ、くき-くぎ、こま-ごま、さる-ざる、ふた-ぶた、てんき-でんき」 等  
 

Sは、この語の中に「点々」の付く字があることに気付く。
「点々」が付くと発音も意味も違うことに気付く。

か行、が行、さ行、ざ行、た行、だ行を読む。








「ことばの練習帳(ひらがなNo.2)」「濁音のことば①」を読む。

ミニマルペアのことばでカルタをする。
  









<活動3> 【文字・ことばの書き】
文字の書きについては、1字1字取り上げて書きの指導などはしなくても大丈夫であるが、濁点を書く位置をきちんと指摘する。  
濁点の位置を理解する。
<活動4> 【短い文の読み】
「がぎぐげごのうた」(まど・みちお 『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』)を範読をする。
Sには、Tが読んでいる箇所を指で追っていくように指示する。
※比較的まとまった長さの文の読みであるが、「がぎぐげご」の並びが繰り返されるので、Sが指で追うことも可能。

Sと一緒に読む。
Tの読む「がぎぐげごのうた」を、指で追いながら聞く。





Tと一緒に読む。
<活動5> 【数字】(基本的な数字の読み⑦ 100~1000)
フラッシュカードを使い100~1000までの数の言い方を教える。
※「ひゃく、びゃく、ぴゃく」の言い方の違いに注意させる。
Sに反復練習させる。
Tの数字の言い方を聞く。
数字のフラッシュカードを読む。




語彙 名詞 <活動2>「ことばの練習帳」の当該ページのことば:かぎ ごみ えのぐ げんき ごはん てがみ めがね りんご おんがく にほんご かじ かぜ ちず ひざ みず かぞく じしん すずめ ねずみ にんじん まど こども つづき でんわ はなぢ くだもの ともだち ゆきだるま
ミニマルペア:あし-あじ、いと-いど、かき-かぎ、くき-くぎ、こま-ごま、さる-ざる、ふた-ぶた、てんき-でんき  
 
動詞  
形容詞  
その他  
文例 活動1 「聞いてください」「書いてください」「赤ペンを出してください」「○を付けてください」「点を書いてください」「何点ですか」
活動2 「見てください」「取ってください」「さしすせそたちつてと」「読んでください」「一人で読んでください」「じょうずですね」「もう一度」
活動3 「見てください」「1,2,3・・・」「書いてください」「同じ」「ちがう」
活動4 「読みます」「一緒に」「一人で」
活動5 「聞いてください」「言ってください」「もういちど」
教材 テキスト 「がぎぐげごのうた」(まど・みちお 『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』冨山房)
絵カード・教具 聴写テストシート  ひらがなカード  ★『ことばの練習帳(ひらがなNo2)』   数字のフラッシュカード(3桁の数) 
備考 ◆<活動2>日本語では、子音を発音するとき声帯のふるえがあるかないかでよって有声音(濁音)と無声音(清音)に分けられる。中国語や韓国語などのアジア系言語では、息が強く出るかでないかによって有気音と無気音に分けられる。声帯のふるえがある濁音を出すことが、中国出身の児童にとって難しい。指導方法としては、のどに手を当てて発音し、のどのふるえを確認させたり、ミニマルペアの読みなどがよく使われる。発音指導は、児童にとってはプレッシャーになることもあるので、カルタなど、聞いて理解させるところから始めたい。

◆<活動5>百の読み方は「ひゃく」「びゃく」「ぴゃく」と音韻変化するので、一度の指導で覚えることは難しい。継続した指導が求められる。
ここでは、1~1000の数字の言い方が活動の目的であるが、この活動をしながら、本国での算数の計算力をチェックして、算数指導につなげることもできる。→(算数のチェック事項 小3レベル)・3桁の数のと足し算・引き算 ★『初期指導における「数」指導  小学校・算数基礎計算チェックシート』
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