こどもの日本語ライブラリ
指導計画詳細
小学生高学年
120時間
文字語彙編(漢字圏)
毎回取り入れる内容 はじめ 始業の挨拶
健康観察「げんきですか」/「げんきです」「げんきではありません」「あたまがいたいです」「おなかがいたいです」
前時の宿題を提出「宿題を提出してください」
「日本語のおけいこ」(谷川俊太郎『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』より)をTと一緒に読む。
数詞・助数詞②(~冊、~個)フラッシュカードを読む。
おわり 宿題の指示
カタカナことばの読み練習(「ことばの練習帳(カタカナ)」★JYL教材)
「漢字の練習帳2年」の③④「文を書きましょう」(★JYL教材)
トピック等 小さい「ツ」の入ったことば
目標 ①小さい「ツ」の入ったカタカナの言葉が読める/書ける  ②短い文が読める  ③二年生の漢字が読める/書ける  ④助数詞を知る(~匹、~本)
学習内容 カタカナ促音の文字・ことば  短い文の読み  二年生の漢字  助数詞
参考教案 活動内容 講師 学習者
<活動1> 【前時の復習】
「ことばの練習帳(カタカナ)」対応の聴写テスト(★JYL教材)をさせる。
黒板に答え合わせをし、正しい答えをSに読ませる。

Tが言う語彙をよく聞き、聴写テストをする。(聞いて書く)
テストの採点をする。間違えたところを赤ペンで書き直す。
黒板に書かれた答えを、Tの指示で読む。

<活動2> 【ひらがな促音の復習と文章の読み】
(短い文章を読みながら、ひらがな促音の読みの復習をする。)
Tは、『木村家の毎日 いってきます』を読む。(レベル別 日本語多読ライブラリー レベル0)続いて、Sにも読ませる。このとき、「いってきます」「いってらっしゃい」の促音の読み方に注意する。
内容に関するいくつかの質問をする。

ひらがな促音のことばを黒板に書き、Sに読ませ、促音の読みの再確認をする。





Sは『木村家の毎日 いってきます』を見ながら、Tの範読を聞く。
  
Tに続いて、Sも音読をする。

Tの質問に答える。

SはTと一緒に拍を数えながら正しい発音をする。既習のひらがなのことばで、促音「つ」の読み方を再確認する。

<活動3> 【カタカナのことばの読み書き練習】
「ことばの練習帳(カタカナ)」促音のことばを板書し、Tが読み方の見本を示す。ひらがなの促音の読み方と同じであることを意識付して、カタカナのことばを読ませる。
縦書き、横書きの場合の、小さい「ツ」の書き位置について、板書をして説明をする。


Sは「ことばの練習帳(カタカナ)」促音を読む。

ひらがなでの小さい「つ」の書き方を思い出しながら、横書き、縦書きでいくつかのことばをカタカナで書く。
<活動4> 【漢字】】「漢字の練習帳2年」②(基礎)(★JYL教材)
漢字カードで、前時に学習した漢字の読みの復習をする。 

「漢字の練習」の、本時で学習する漢字を読ませる。
(色、黒、黄色、茶、形、角)

簡体字と字形の違う漢字については、板書をし、違う箇所をSに指摘させる。
※「黒、角」が簡体字と字形が違う。
「漢字の練習帳」に1回練習させ、書き順や字形についてチェックをする。
間違いがあるときは、丁寧に説明をする。

「漢字の練習帳」(★JYL教材)の漢字を含む文の読み練習をさせる。

≪もっと学習≫
学習した漢字を含む短文作りをさせ、発表させる。
訓読みが覚えられたSには、プリントなど用意して音読みも指導する。
漢字カードを読む。

「漢字の練習」の本時の漢字を読む。


簡体字と字形が違う漢字を見つけ、形の違う箇所を発表する。 
字形の違いに注意し、書き練習をする(1回)。
間違っている時は、Tの指示に従って直す。


学習した漢字を含む文を読む。


学習した漢字を含む短文を作り、発表する。クラスメートの作った文を聞いて、間違いを直し合ったりする。
<活動5> 【数字】(数詞・助数詞③)漢語起源の数詞
『日本語を学ぼう2』P15を示し、犬や魚が「ひき」、鉛筆や傘が「ほん」の言い方であることを説明し、板書する。中国での、助数詞を確認する。
  
『日本語を学ぼう2』P15の「ひき」「ほん」の箇所を、範読し、Sと一緒に読む。
 
『日本語を学ぼう2』P14の絵を見て、メダカや亀、カエルの数を聞く。
中国での助数詞について、Tに答える。


『日本語を学ぼう2』P15の「ひき」「ほん」の箇所を、Tと一緒に読む。
 
『日本語を学ぼう2』P14の絵を見て、メダカや亀、カエルの数を聞く。
語彙 名詞 <活動3>「ことばの練習帳」の当該ページのことば:(促音①)ベッド、ヨット、サッカー、スリッパ、トラック、ロケット、ロボット、ビスケット、ヘルメット、パイナッブル  (拗促音)キャップ、チャック、チョッキ、リュック、ショッピングセンター  <活動4>色、黒、黄色、茶、形、角
動詞  
形容詞  
その他  
文例 活動1 「聞いてください」「カタカナで書いてください」「赤ペンを出してください」「○を付けてください」「点を書いてください」「何点ですか」
活動2 「きょうは、この本を読みます」「初めに、先生が読みます」「先生が読むところを指で追って、聞いてください」「読んでください」「読み方を覚えていますか」
活動3 「小さいツの読み方は、ひらがなのときと同じです」「小さいツはどこに書きますか」「ここに書いてください」「よく見てください」
活動4 「見てください」「読んでください」「1,2,3・・・」「書いてください」「皆さんの国の漢字と同じですか、違いますか」「同じ」「違う」「文を作りましょう」
活動5 「数えてください」「音が変わりますから、気を付けましょう」「鉛筆は何本ありますか」「犬は何匹いますか」
教材 テキスト 「日本語のおけいこ」(谷川俊太郎『しゃべる詩あそぶ詩きこえる詩』)
『木村家の毎日 いってきます』『レベル別日本語多読ライブラリー レベル0 Vol1』
『日本語を学ぼう2』4課。同様の内容は、★『ひろこさんのたのしいにほんご1』(20課・21課)、★『こどものにほんご1』(10課)
『かんじだいすき(2)~日本語をまなぶ世界の子どものために~』 ★『かんじだいすき(2)漢字・絵カード』 (公益社団法人国際日本語普及協会 AJALT)
絵カード・教具 聴写テストシート  50音表(ひらがな/カタカナ)  ★『ことばの練習帳(カタカナ)』   カタカナカード  漢字カード  ★『漢字の練習帳(2)中国語訳付き』  ~匹、~本と数えられる絵 
備考 ◆<活動2>ここでは、ひらがな促音の読みの復習と漢字仮名交じり文の読みの練習を兼ねて、レベル別多読ライブラリーの『木村家の毎日 いってきます』を指導に使っている。この後の指導にも『木村家の毎日』シリーズを取り上げている。これは、「内容が児童の経験と結びつけやすい」「場面ごとに理解を助ける絵が付いている」「この学習レベルの生徒に語彙数や長さが適当」等の理由によるが、同程度のレベルの別の読み物に変えても良い。児童の興味関心に応じて、取り上げる読み物を工夫したい。また、公立学校で通常学級に在籍している生徒には、教科書の文章のリライト教材などを作成し指導に活用するのも良い。

◆<活動5>中国語には助数詞があるので、児童は助数詞の概念が理解できているが、日本語とは異なる漢字を書くので注意が必要である。日本語での「匹」は、中国語の場合「へびのような長いものは条、鳥やこん虫は只、大型の動物は?,、馬は匹」を使う。日本語の「個」は中国語では「个」を使う。小学校高学年や中学生であれば、中国語との対比で指導をした方が分かりやすい。ここで学習するのは、 「数の言い方が音便変化すると共に、助数詞の言い方も変わる数の言い方」であり、外国人児童にとっては難しい内容である。正しく言えるようになるには、時間がかかるので継続した練習が求められる。
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